熱き咆哮をいま再び

一度頂点を極めた者には、必ず下り坂や転機が訪れる。

その時、もはや過去の伝説となるのか、現役に留まるのか、
そのどちらが良くて悪いのか、本人にも誰にも恐らく結果は
分からないのだろう。

だが、あの時の Dave Mustaine に 限っていえば、まだ MEGADETH という
バンドにその身を 置いていくのだ、という結論を出したことが、少なくとも、
ヘヴィミュージックのファンにとっては、幸せな結果をもたらしたのだと思う。

かつて、あのメタリカの一員として、これから音楽ビジネスで華やかな活躍を
スタートさせるべく意気込んでいた男が、1stアルバム録音の直前にクビになる
という失意のどん底に落ちた時、MEGADETH というバンドの胎動は始まったの
だろう。

そして、失意の底から這い上がった彼は、メタリカと双璧に語られる成功を
このバンドにもたらすまでになる。アルバムを出す度に、その攻撃性と複雑な
曲構成、時に政治的でメッセージ色の強い歌詞を織り交ぜながら、一方では、
コマーシャルな展開を試みるなど、常にファンヤキモキさせながら、やがては
スラッシュ四天王のひとつと称賛されるまでになった。

しかし、デビュー当時、自らの健康をクスリに切り売りしたツケもあり、やがて
バンドは閉塞感に陥っていくことになる。

そして、この夜、バンドを存続させるか、終焉を迎えるのか、その決意を表明
するとして、MEGADETH はブエノスアイレスのステージに立った。



だが、オーディエンスは愛情の全てをもって彼らを迎える。 唄メロのサビに
留まらず、リフ、ソロ、それら全てを大合唱する観客の姿、そして、それに
応えるバンドの素晴らしいパフォーマンス、これら全てが観る者の胸を熱くする!



That One Night : Live in Buenos Aires /
MEGADETH


この伝説的なステージを収録したDVDが発売されて程なく、ついに MEGADETH
最新作が到着した!


United Abominations /
MEGADETH


あのステージの夜、バンド存続を決意したムスティンは、以降も精力的な活動を続けて
きたのだが、新たにレコード会社を、 Road Runner に移籍させ、その移籍第一弾として
発表したのが、今回のニューアルバムということになる。

で、冒頭のくだりに戻る訳だ。
 
あの時、MEGADETH は存続して良かったのだな、と。



攻撃性と知性とコマーシャリズムに満ちた鋭利なリフに
ムスティンのひねた歌声が絡みつく!

なぁ、これぞ MEGADETH でないかい!?

メタル戯画

昨年開催されて大盛況だったメタルフェス『Loud Park '06』での
来日に合わせて、日本盤をメジャーリリースしていた MASTODON
3枚目のアルバム『Blood Mountaion』をやっとこさ購入。


Blood Mountain / MASTODON (初回限定盤)


CDショップの試聴コーナーで聴いていたのだけど、正直試聴時は
「????」という感じだったが、強烈な印象だけが漠然と残っていた。

恐らくは、プログレっぽい複雑な変調が多い曲と、変則パターンの
強烈なドラムがそう思わせたのだろうが、じっくり腰を落ち着けて
聴くと、これがなんとも中毒性があって、ハマる。

各方面で高い評価を得ているのも頷ける内容だった。





ジョージア州アトランタで、BRANN DAILOR (Ds) を中心に結成された
4人組。

なんというか、メタルとプログレとクラシックロックの音に戯れて
おもちゃ箱をひっくり返したような感じなのだが、それでいて独特の
カラーを明確に発揮している。そんな感想だ。メタルという大きな
進化図の中で、ひとつの新たな枝葉として、その分岐点にその名を
刻まれそうな新しさが確かにある。

手数が多く変則リズムを叩きまくるドラム、変化自在のギターリフ。
こんな難しい曲を演奏るのは、スタジオでも簡単ではないだろうけど、
よくライブでやるな〜こいつら。



しかもV oは専属でなく、TROY SANDERS(B) とBRENT HINDS (G) が
やっている。BILL KELLIHER(G) を合わせて3人がステージでずらっと
並ぶことになる訳だ。

アルバムのアートワークもとても素晴らしく、気になったので調べて
みると、Trivium のアルバムアートワークと同じ人物 Paul A, Romano
という人だった。

キャッチーな曲は皆無。確かにとっつきは悪いかもしれない。

それでもオススメしたい逸品なり。

生姜焼き丼もステキ

今回は、Coheed and Cambria (コヒード・アンド・カンブリア) という、
アタマがやたらとデカいフロントマンと、メンバー全員が 、どことなく
ダサくて、ブ男というのが 印象的なバンドのお話。

ダサ格好いいっていうのがぴったりで、オイラ的の脳裏に浮かんだのが
「生姜焼き丼」ってフレーズ。

ほらっ。毎日フレンチレストランでタルタルステーキをいただくより、
生姜焼き丼みたいなメシを、ガッツリかきこんだ方が、幸せな事って
あるじゃないですか!? そんな感じかな〜w



4thアルバム。タイトル長すぎ意味不明。



クラウディオ=(アタマがデカい)サンチェス(vo,g)を中心とする
ニューヨーク出身の4人組で、キャッチーなメロディに、超ハイトーンな
叙情的ボーカルが特徴。

メタルではなく、プログレか、今風に云うエモ・ロックってやつで、
アルバム全編で、キッズがあまりHeadBangできる曲は少ないのだが、
本人はものすごい勢いでPVで振りまくってたりする.....





アルバムの歌詞は、ロックオペラ仕立てになっているそうで、
かの スターウォーズみたく、これまでの作品と合わせて何部作とかに
分かれているらしいが、これは正直良くわからんw

ただ間違いなく云えるのは、彼らもまた、まぎれもなく 個性があり、
存在感の強いバンドだということ。アルバムに収録される曲も多彩で、
総じてレベルが高い。一度お試しあれ。



レニングラード包囲戦を

モチーフにした、イタリアのメロディックデスメタルバンド
DARK LUNACY の 3rdアルバムは重く、切なく、そして素晴らしい作品だ。

 900日に及んだ激戦の中、ひたすら生き抜くために抵抗を続けた人々。
多くの犠牲が忌まわしい記憶を残したはずだが、戦い抜き、そして生き抜いた
人々は誇りをもってこの戦いを語り継いだという。

 「トロイも陥ち、ローマも陥ちたが、レニングラードは 陥ちなかった」

と、時の指導者に言わしめたが、イデオロギーの勝利などではない。
ましてや「正義」が勝った訳でもないだろう。

ただ、ひたすらに不条理な死を拒んだ人々の「 生きたい!」という、
強い思いが勝利したのだと思う。

そんな重いテーマをアルバム全体のコンセプトとし、スタジオワークの成功を
感じさせる重くエッジの効いたギターリフ。これに叙情的なメロディが相まって、
切ない咆哮で見事に唄いあげている。



DARK LUNACY : the Diarist





別に声高に戦争反対を唱えているわけではない。

だが、ソングライターの Enomys(G) は雑誌のインタビューに こう語っていた。
このCDを聴く時、

 「子供達や家族を守るために戦っているロシア人兵士と並んで 泥の中を歩いて

  行って欲しいと思う。目を閉じ、自分のタイプ ライターに向かい、ラジオから
  流れる、自分の街の心臓部はまだ 動いている、というニュースに耳を傾けて
  欲しいんだ。」 (BURRN!誌2007年1月号のインタビュー記事より)


こうして、安穏と音楽や模型を楽しめる日々に心底感謝している。
でも、時には立ち止まって、それをもたらしてくれている状況や、脅かすモノに
目を向け、耳をそばだててみることを、忘れないようにいたいとは思う。


ヨーデルだけじゃないのよ

以前から気になっていた ELUVEITIE(エルベイティ)という
スイス出身の9人組のCDをようやく手に入れた。


070111_01_eluveitie.jpg


9人が、アイリッシュフルートやフィドル、バグパイプ、マンドラなど
多岐に渡るパートをこなす。

欧州圏各地の民族楽器を織り込んだ、最近、いわゆる「フォークメタル
としてカテゴライズされるバンドだ。

かといって、ユニークな楽器構成だけで奇をてらったキワモノではなく、
メロディックデスメタルの要素を軸に、ヴァイキングメタルの勇壮さと
ケルトミュージックの郷愁を併せ持っており、その完成度は高い。

音モノ:HR/HM
Spirit
spilit / ELUVEITIE

そんな彼らの記念すべき 1stフルアルバムが、
今回手に入れた『spilit』だ。



  ここで、側圧が鬼のようにキツい愛用のSENNHEISER HD25 を
  (`・ω・´)シャキーン━━━!!   



      ドイツメーカーかつ made in Ireland だぜぃ!



  これをヴァイキングの兜のごとく装着したら、澄みわたった青空の下に
  一歩を踏み出しながら、ポータブルCD(決してiPodではない)を
  スタートさせる。

  すると、
おもむろに、地の底から沸き上がるような、
  Chrigel Glanzmann(クリゲル=グランツマン)のデス声が響く。

  しかし、それも、やがては森の中の閑けさのように熔けていく頃、
  地下鉄の車内に揺られているはずの自分が、木々の香りと岩肌の
  冷たさを
感じているかのような、心地よい錯覚に陥るのだった.....

なんつってw

でも、新鮮な驚きと音楽の楽しさを味わえる一枚だと思ふ。

万人にはオススメできないけど、ジャンルに拘らず音楽の楽しさを
享受できる人なら、是非聴いてみて欲しい!


オスロの夜はアツい!

アメリカはフロリダのパワーメタルバンド KAMELOT の
新作2枚組DVDを購入したが、素晴らしいパフォーマンスライブと、
優れた映像パッケージだった。

2006年2月のオスロ公演を収録した映像で、恐らくは極寒の夜に行われたと
想像される中、ROCKEFELLER Music Hall の中では、熱くほとばしるような
ライブが繰り広げられる!

ワン・コールド・ウインターズ・ナイト
One Cold Winters Night / KAMELOT


メロディアスで疾走する楽曲が多いセットリストと相まって、メンバー
それぞれの演奏の完成度は高く、ステージの大きさ、照明、インターバルの
演出等、全てがひとつのまとまったパフォーマンスとなっている。

ロイ=カーン(Vo)の歌唱はスタジオ同様に素晴らしいが、
キャセイ=グリロ(Ds)の太鼓が、重さは感じないものの小気味良いのが
とても印象的だった。

加えて十数台の機材を縦横無尽に駆使したカメラワークが
とても素晴らしいため、こうしたライブ全体の魅力と臨場感が伝わってくる。

ライブの中盤、「Center of The Universe」 から名曲 「Forever」 に駆けての
怒濤のうねりは、やがて 「The Haunting」 でのスペシャルゲスト登場で、
一気に盛り上がる。

KAMELOT の6thアルバム名から命名されたバンド "EPICA" の歌姫、
シモーネ=シモンズが颯爽とステージに登場して、魅惑的なメゾソブラノを
披露するのだから、オーディエンスはもう大喜びだ!




彼女の他にもブラックメタルのスノーウィー=ショー(ex.Dream Evil)が、
かつてのKING DIAMOND ばりのメイクで悪魔役を買って出て?いたりして、
豪華だ。

とにかく90分を圧巻の内容で、一気に「魅せられて」しまった感じ。

2枚目にはPV数本とメイキング、スウェーデンロック2006の一部が
収録されるなど、こちらも充実している。

いや〜あまりのパフォーマンスの良さに、
同タイトルのライブ盤CDも買ってしまいそうだわw

天国と地獄

いまだ衰えをみせない最高峰の"唄リスト"ロニー=ジェイムス=ディオだが、
当時オジーの後釜として、BLACK SABBATH に参加した時はかなり衝撃的だった。

  思えばイアン=ギランが参加した時も衝撃だっただけに、
  HR/HM界随一のサプライズ人事なバンドかも。
  ギランが唄う"Paranoid"より、トニーが"Smoke on The Water"演る事が....

そんな彼らが、崩れ行く2006年にまたもやサプライズなニュースを提供して
くれた。

なんとロニー時代のBLACK SABBATHが"HEAVEN & HELL"という
ユニット名でツアーを行うという。権利関係によりサバスを名乗ることは
できないらしいが、まぎれもなくロニー時代のサバスを目撃するチャンスが
やってきたということだ。(来日するかどうかは知らんよ?)

で、そんなユニット名に冠されたアルバム『Heaven & Hell』を改めて
CDで購入してみた。

サバスとは全く相容れないと思われた(であろう)ロニー
の嗜好が、見事な化学変化を起こした結果、と云えば良いのだろうか。
オジー時代とは明らかに違ったが、新たな「名盤」の誕生だった。

自分にとっては "Die Young" のPVを観たのが、当時の強烈な印象に残っている。
(あれでメロイックサインを覚えたとも....) \m/  \m/  \m/  \m/  こんな手ね!


妖しげな衣装で、怪しげなサインを振り回しながら絶唱するロニー。
スローモーションシーンがカコイイ!トニー=アイオミのソロ。

初めての人にとって、いま聴いても強烈な印象を残すアルバムであろう
ことは間違いない。